整形外科的まとめBlog

運動器疾患を担当する整形外科のBlogです。初期研修や整形外科についての話題を医療、法律、ネット文化を背景にまとめて取り上げてまっす。

それでもやっぱり腰が痛いんです! その1

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 腰痛は奥深い病気です。というか、みなさんうすうすわかっていると思いますし、かなり衝撃的な事実ですが、実はなんで腰痛が起きるのか整形外科医はよくわかっていません!80%の腰痛は原因が不明と整形外科学会の脊椎講習会で発表されていました。腰痛で整形外科に行くと単純レントゲンをとりますが、腰痛は軟部組織の痛み由来が多いのでレントゲンをとってもわからないし治らないことも多いですね。

 ですが治療自体は急性腰痛のほとんどは痛み止めを飲んでいれば1-2週で改善します。注射しても、鍼灸しても、湿布はっても、マッサージしても、大げさに言えば手をかざしたとしても、たいてい腰痛はよくなるのです!つまりほとんどの腰痛は誰でも治せます。もちろんマッサージ、針、ブロック注射などで一発で腰痛を取ることが可能な場合があることも知っています。ただ、人によって原因やら希望する治療方法が異なるので、あまり再現性が乏しいので難しいなぁと思っています。

 腰痛で問題になるのは、1、治らない腰痛と、2、やばい腰痛です。

 最初はやばい腰痛の話から。腰痛で怖い内科的疾患といえば、腎盂腎炎、結石、胆のう炎、そして大動脈乖離です。最後のは致死的ですのでやっぱりものすごい痛いときは病院に行った方がいいですね。でも確率的にはこのような腰痛の可能性は著しく低いですね。

 次は治らない腰痛についてです。腰痛が残念ながら治癒せず、3ヶ月以上続く腰痛は慢性腰痛と言われます。地域の良い病院と言われる医療機関に勤めていたことがあるので、いろんな良くならない人が流れに流れてくるのをみてきました。自分が通院していた先生の悪口を言いながら通院してくる、ある意味信用ならない可哀想な人たちを相手にしていくわけです。(多分ここでもよくならない場合は同じことにあるでしょう。)
 
 私の治療方針は、治療ラダーを基本的に誰に対しても変えないことです。どんな人が来ようとも、みんな同じプログラムで流していました。どこに行ってもどんな薬でもよくならなかった人も、単にお薬をだして様子見るだけでよくなってしまう人もいますし、コルセットの処方を適切に指導するだけで改善する人も多いですし、何より運動療法などでよくなる人が多いです。

1、薬物投与
2、必要があればコルセット
3、徐々に運動療法

 もちろん腰痛の原因が目に見えてよくないだろうという場合もあります。高度すべり症、腰椎分離症、変性側湾症、腰部脊柱管狭窄症、脊椎圧迫骨折などの腰痛の場合です。手術をするケースも見たことはありますが、圧迫骨折以外は腰痛のみの症状で手術するのは整形外科医としてもあまり一般的な戦略ではありません。このような治療困難な病気がたとえあったとしても、運動療法が進められるポジティブな人は、うまくいくケースが多く、よくならないにしても痛みと折り合いをつけることが出来ることが多いです。

 え?でも、とりあえず腰痛治らないんだけど、どうしたらいいの?という質問が多いと思うのですが、シンプルな回答としては、とりあえずいい先生を見つけることです。保存的治療をよくわかっている整形外科医、もしくは整形外科をよくわかっている接骨院に通うことです。最低限の医療知識と医療資源を兼ね備えていることを確認して医療機関を選ぶといいです。よい接骨院の先生は、整形外科で研修していますので単純レントゲンも読影できますし、良い整形外科・リハビリの先生は診察をして手技療法で症状を緩和させることもできます。結局は、いい先生は自分の足でみつけるしかないんじゃないかなと思います。

診断のエラーでも同じようなことを書いています。
http://www.orthopedic.jp/archives/52006596.html

 接骨院でトラブルになるケースは、ROMをしないほうがいい人に強すぎるROMかけたり、骨粗しょう症の人に強く力を入れて圧迫骨折を起こしたり、いろいろあります。特に老人は咳をしただけでも圧迫骨折を起こしますから、とても注意が必要ですね。
 整形外科でトラブルになるケースは、感染症の見逃しとブロックによる症状の悪化が多い印象です。慢性腰痛は感染症も考えないといけませんので漫然と治療してはダメなので時に画像検査が必要ですし、ブロックはしっかりと痛みが悪化する可能性や一時的に麻痺になる可能性とかもしっかりとお話しておくことが大切ですね。

第10回日本整形外科学会 脊椎脊髄病医研修会

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第10回 日本整形外科学会 脊椎脊髄病医研修会に参加してきました。

内容は去年とあまり変わりませんでしたが、私の頭の出来が悪いのか、もう一回聞いてもためになる内容でした。研修会の出題問題は今後の専門医試験問題になる予定との情報もあるので問題の概要を掲載しておきます。

第一日目

面白かったこと・ためになったこと。
・松本先生の側彎のお話。
・頚椎の脱臼整復はそのまま戻すor牽引すると椎間板が脊髄を押して悪化するケースがある。
・BCR陽性後の運動感覚完全麻痺は予後不良であるがでも30%は改善する可能性がある。
・初期に仙骨周囲の痛覚残存を認める症例は予後良好。

試験問題

中殿筋 L5 Trenderenbergサイン
上腕三頭筋の反射はC7.
Rombergは脊髄後索障害
脊髄外側視床路は対側の温痛覚

Schreuermann D.について
脊椎すべり症 代償性の前湾
Klippel Feil S.短頚 ROM制限 毛髪線低位

BCR陽性後の運動感覚完全麻痺は予後不良であるがでも30%は改善する可能性がある。
脊髄損傷 初期T2HighT1Iso 1MでT2HighT1Low 1-2WでT2悪化する。
脱臼 下部胸椎>両側 腰椎>片側

第二日目
おもしろかったこと・ためになったこと。
・MEDの外側の時のアプローチ、PELDのアプローチはディスコとほとんど一緒。
・LCSは手術が有効。
・LCSは画像的にたくさんの人(70%?)に認められるが、症状があるのは10%。

試験問題

C4/5の時に出る症状。
安静時両下腿しびれ、両側膝蓋腱反射陰性、アキレス腱反射亢進のときの高位は?
平山病 男性に多い。
Keegan型頚椎症 近位筋に多い。
MS 若い女性 視力障害が多い。

男性は腰痛1位女性は2位。
慢性腰痛は仕事のストレスと関係ある。
慢性腰痛は認知行動療法・管理下の運動療法は有効。
慢性腰痛は短期間のオピオイド投与は有効。
薬物療法は有効。

転移性脊椎腫瘍のときのX線所見。
RCCと甲状腺がんは予後良好。

手帳が交付されるのは1-6級。
症状が固定してから申請。
認知症は認定できない。

WHOチェックリストについて タイムアウトなどの手術前室でのチェックリストのこと?

今後ともよろしくお願いしますね!
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第39回日本整形外科学会スポーツ医講習会@2012年8月4日5日京王プラザ

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日本整形外科学会スポーツ医講習会に参加してきました。

 各論は2日であり、総論の3日に比較しそこまで苦痛ではありませんでしたが、それでも長時間講義を聴かなければいけないのはかなり苦痛です。同じ時間であればワークショップスタイルのACLSなどのほうがストレスが低いです。

 講習会の内容ですが、各項目については、熱中症の項目や頭部外傷の項目は勉強になりました。しかしながら使用されるガイドライン、基準のうち、日本整形外科スポーツ医学会がひとつでも提唱したものはありましたでしょうか?投球障害の基準は日本独自のものだと思いますが、自分達の基準、理念、方針と言うのがイマイチ不明瞭なのです。

講習会の問題点としては
・日本のスポーツ医学会が研究し、提唱する独自基準があまりないこと。
・そもそも大勢のコンセンサスをまとめようとする意図を感じないこと。
・お勉強、資料集の棒読みで、ポイントがどこで、Minimumはどの範囲で、というような教育しようという意図を感じないこと。
などを感じました。

なによりスポーツ医学に興味がある整形外科医が300人集まっているので、研究や人的交流のいいきっかけになるのに一切有効活用する気のないスポーツ医学会。この機会がもったいないなー。将来性がないなー。と思ってしまいました。初回受講者は200人、2回目受講者は100人でした。本当にもったいない機会だなと。全国の整形外科医師が集まっていろんなプロジェクトや交流ができる可能性があるのに。。

この内容では参加したり資格をとってもしょうがないなと思われてもしょうがないのではないでしょうか。

理想の講習会としては講義だけではなく、1日目は半日で講義を切り上げて午後は診察のワークショップ。スポーツなんだから実技っしょ。夜はワークショップのグループ単位でのレセプション。同様に2日目も半分実技で体動かしたほうが楽しいと思うのですが、実行委員の先生方、是非ご配慮お願いいたします。




今後ともよろしくお願いしますね!
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腰部脊柱管狭窄症Q&A 整形外科医が答えます。  その1

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腰部脊柱管狭窄症について

Q:どういう病気ですか?

A:腰部脊柱管狭窄症は、少しあるくと足がしびれて動かなくなるような症状(間歇爬行)や、腰を伸ばすと足に痛みが走るような症状を主にする疾患です。

Q:どういう検査をするの?

A:腰部MRIにて腰の骨の後ろを通っている神経の管(腰部脊柱)に狭窄を認めます。単純レントゲンにて腰の骨が前後にずれている腰椎すべり症や、腰の骨と骨の間のクッションが変性している腰椎椎間板症による不安定性や、脊椎側弯症が合併している場合があります。腰部MRIで脊柱管に明らかな狭窄を認めなくても、撮影条件によっては症状を認める場合もあり、ミエログラフィー検査にて診断される場合もあります。下肢へ行く動脈が詰まってしまう閉塞性動脈硬化症との鑑別のためにABIという検査をする場合もあります。

Q:治療はなにがいいのですか?

A:一般的に治療は難しいです。整形外科におけるの保存治療のラダーは、1、運動療法、2、薬物治療(プロスタンジン製剤内服・注射、他内服治療) 3、ブロック治療(EDB:仙骨硬膜外ブロック)となっています。手術手段としては、除圧手術だけでは対応できない場合もあり脊椎後方固定が選択される場合もあります。

Q:どういう場合に手術が必要ですか?

A:どうしても必要な場合は、痛くて動けない場合、ほとんど歩けない、など日常生活が上手におくれない場合は手術を考えます。とくに下肢の筋力が低下している、膀胱直腸障害がある場合は早期に手術をしないと治癒の可能性は下がります。

Q:手術しない方法はありますか?

A:下肢が麻痺したり膀胱直腸障害がある場合は手術しないと治らないでしょう。ただ、下肢筋力低下があっても軽度な場合、まだ歩ける場合など、手術適応が難しい方がほとんどです。ですから、その人の生活状況に合わせて手術や保存療法を計画するようにしています。

Q:プールはどうしていいのですか?

A:何が起きているかというと、動けない、日常生活が上手におくれないと、徐々に体力がなくなり、体もかたくなってきます。体が硬くなることで、思うように体がさらに動かせなくなり、運動と体力の負の悪循環に陥ってしまいます。外来に来る時点でこの悪循環に陥ってる人がほとんどです。ここから抜け出すには腰部脊柱管狭窄症を悪化させず、体の機能を保てる運動療法が必要です。腰部脊柱管狭窄症の患者さんは歩くと症状が悪くなりあまり歩けない方が多いのですが、プール歩行だと症状が起きない方が多いのです。腰椎すべり症や腰椎椎間板症を合併している方も多く、負荷がかかる運動では腰痛が悪化することもある為、重力の影響を低くできるプールでの運動療法を薦めています。

今後ともよろしくお願いいたします。

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いわゆる突き指について

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いわゆる突き指について

突き指です。手の外科外来では一般的な患者さんです。突き指でも実は骨折していることも多く、中節骨PIP関節内骨折、末節骨亀裂骨折など保存療法でよく直ってしまう骨折も多いには多いですね。少しでも腫れている場合は骨折している可能性が高いと思います。

そして手術をしなければいけない骨折も多く存在します。骨性マレット、整復できない基節骨骨折、離れすぎてしまった関節内骨折。そして骨折はないけど軟部組織損傷がある場合も手術をしないと指の機能が保てなくなることがあります。(掌側板や側副靭帯損傷治療には所論ありますが、、)

そしてしばしば指の怪我は初期の治療判断が鍵になる場合が多く、最初に見てもらった先生により予後がかなーり異なります。

それでも突き指で接骨院に行きますか?
信頼できる手の専門の先生に最初から見てもらったほうが良いですよー。
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