整形外科的まとめBlog

整形外科専門医が監修しているBlogです。初期研修や整形外科についての話題を医療、法律、ネット文化を幅広く取り扱います。専門医試験対策はアップデートされますので過去ログ参照してください。青森・東京・関西圏対応

腰部脊柱管狭窄症Q&A 整形外科医が答えます。  その1

腰部脊柱管狭窄症について

Q:どういう病気ですか?

A:腰部脊柱管狭窄症は、少しあるくと足がしびれて動かなくなるような症状(間歇爬行)や、腰を伸ばすと足に痛みが走るような症状を主にする疾患です。

Q:どういう検査をするの?

A:腰部MRIにて腰の骨の後ろを通っている神経の管(腰部脊柱)に狭窄を認めます。単純レントゲンにて腰の骨が前後にずれている腰椎すべり症や、腰の骨と骨の間のクッションが変性している腰椎椎間板症による不安定性や、脊椎側弯症が合併している場合があります。腰部MRIで脊柱管に明らかな狭窄を認めなくても、撮影条件によっては症状を認める場合もあり、ミエログラフィー検査にて診断される場合もあります。下肢へ行く動脈が詰まってしまう閉塞性動脈硬化症との鑑別のためにABIという検査をする場合もあります。

Q:治療はなにがいいのですか?

A:一般的に治療は難しいです。整形外科におけるの保存治療のラダーは、1、運動療法、2、薬物治療(プロスタンジン製剤内服・注射、他内服治療) 3、ブロック治療(EDB:仙骨硬膜外ブロック)となっています。手術手段としては、除圧手術だけでは対応できない場合もあり脊椎後方固定が選択される場合もあります。

Q:どういう場合に手術が必要ですか?

A:どうしても必要な場合は、痛くて動けない場合、ほとんど歩けない、など日常生活が上手におくれない場合は手術を考えます。とくに下肢の筋力が低下している、膀胱直腸障害がある場合は早期に手術をしないと治癒の可能性は下がります。

Q:手術しない方法はありますか?

A:下肢が麻痺したり膀胱直腸障害がある場合は手術しないと治らないでしょう。ただ、下肢筋力低下があっても軽度な場合、まだ歩ける場合など、手術適応が難しい方がほとんどです。ですから、その人の生活状況に合わせて手術や保存療法を計画するようにしています。

Q:プールはどうしていいのですか?

A:何が起きているかというと、動けない、日常生活が上手におくれないと、徐々に体力がなくなり、体もかたくなってきます。体が硬くなることで、思うように体がさらに動かせなくなり、運動と体力の負の悪循環に陥ってしまいます。外来に来る時点でこの悪循環に陥ってる人がほとんどです。ここから抜け出すには腰部脊柱管狭窄症を悪化させず、体の機能を保てる運動療法が必要です。腰部脊柱管狭窄症の患者さんは歩くと症状が悪くなりあまり歩けない方が多いのですが、プール歩行だと症状が起きない方が多いのです。腰椎すべり症や腰椎椎間板症を合併している方も多く、負荷がかかる運動では腰痛が悪化することもある為、重力の影響を低くできるプールでの運動療法を薦めています。

今後ともよろしくお願いいたします。

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いわゆる突き指について

いわゆる突き指について

突き指です。手の外科外来では一般的な患者さんです。突き指でも実は骨折していることも多く、中節骨PIP関節内骨折、末節骨亀裂骨折など保存療法でよく直ってしまう骨折も多いには多いですね。少しでも腫れている場合は骨折している可能性が高いと思います。

そして手術をしなければいけない骨折も多く存在します。骨性マレット、整復できない基節骨骨折、離れすぎてしまった関節内骨折。そして骨折はないけど軟部組織損傷がある場合も手術をしないと指の機能が保てなくなることがあります。(掌側板や側副靭帯損傷治療には所論ありますが、、)

そしてしばしば指の怪我は初期の治療判断が鍵になる場合が多く、最初に見てもらった先生により予後がかなーり異なります。

それでも突き指で接骨院に行きますか?
信頼できる手の専門の先生に最初から見てもらったほうが良いですよー。

手術用ツールシリーズ その1 手術用ヘッドライト☆

脊椎手術の手術用ヘッドライトがほしいと前から思っていました。でも20万円以上するので高くて購入できなかったのです。
(しくしく ><)

しかし、今日発注したLed lenserです。アウトドア用のヘッドランプなのですが、ランプの角度が可変式で、ハイビームが可能です。つまり、フォーカス性能もかなりよいのです。充電式でもちろん携帯できます。値段は8000円程度です。

買わないという誘惑に勝てますか?



いわゆる指の骨折について

いわゆる指の骨折について

指の骨折は小さいわりに日常生活にとても不便です。固定をしていると水仕事はできない。細かい作業ができない。力作業ができない。小さいからと侮って治療が長引くとかなりのストレスになります。

指の骨折の治療原則は、
・骨折治癒には最低4-6週かかる。
・2Wで関節は拘縮をはじめる。

ということです。つまり固定期間が長すぎると、固まってきてしまいますので、指の治療は動かしながら直すことが基本となります。

多くの指の骨折は手術しないで直る場合も多いですが、残念ながら手術をしないと機能が回復できないケースも存在します。
マレット指、腱損傷、関節内骨折などは治療が難しい場合もあるので、手外科・手の外科専門医を受診するのが無難かと考えています。

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マイクロ手術がうまい先生の特徴。

とりあえずマイクロ手術がうまい先生の特徴です。個人的な感想文になってますが参考になれば。。

I先生
手が震えない。無駄のない動きをする。端的にいうと日常生活からして優雅。

K先生
毎日練習を欠かさない。基本に忠実。ミスがない。いつも他人に厳しい。

U先生
震えるけど、スピードが早く、結果的に効率が良い。

H先生
常に雑談しながら手術をしている。何種類かの得意な手術パターンをもっていて、いつも簡単な手技に結び付けている。難しいことをやらないで、どうしたら簡単に手術ができるかを考えている。

ということで、技術的な面と、戦術的な面があると思います。技術はある程度以上行ったら、あとは戦術面に気を使えるようになると良いのではないでしょうか。
でも、技術をよくするのも戦術目標なんだけどな、、




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今日の整形内科的患者さん達 その1 ヘルニアは即手術してますか?

皆さん初診は再来の合間に見てますか?半日外来で新患12人を一般外来しながら診療するのはややキビシメでした。外来は週に2コマから3コマですが、外来多めですか?

覚えている中で抜粋していきます。

1、70代女性両膝痛、間欠爬行あり(4000歩は一日歩けるとのこと。)、単純レントゲンでは膝は両側内側のOA、腰椎、L4/5不安定性。腰部MRIではL4/5 L5/SにてStenosis+。膝が痛いのか腰が問題なのか、一番わかりやすい検査は?
>膝筋膜リリース(関節注射でもいいかもしれませんね。) 施行した右だけ痛みが良くなって帰宅しました。残念ながら現段階では膝も腰も手術はあまり必要ないかなぁ。膝の機能障害でしょう。

2、肩こり+左肩の痛みを訴える20代女性 一般診察所見ではとくに問題なし、単純レントゲンは問題ないがいわゆるストレートネックっぽい。どういうように治療アプローチしていますか?
>一つ一つの椎体の痛みと動きを評価してから関節Mobi.にて症状消失させて帰宅。運動不足ですよー!

3、10代男性 3年越しの左殿部痛。 身体診察でLDH(腰椎椎間板ヘルニア)疑い。MRIでLDH確認。10代の手術はあんまりしたくないんだけどなぁ。みなさんやっぱりすぐ手術してます?

4、50代男性 左大腿下腿の痛み。身体診察で問題なし。単純レントゲンでL4/5 L5/S不安定性、MRIにてL4/5外側ヘルニア? とりあえず診断の為のNRBですか?それともEDBでお茶を濁す?

5、腰痛の70代の男性 話をよく聞くと、左肩のほうが痛い? じゃぁ最初に問診表にそう書いて下さいよ。。左肩の痛みは頚椎の関節Mobi.で消失させて、NSAIDsだして帰宅。腰痛はまた次回☆とりあえず運動しましょうね☆

というように、診療をしています。大概の人は診察だけで症状を改善させられるようになったけど、やっぱり診察補助してくれるPTなり柔道整復師がいたら激助かりますー。誰か手伝ってくださーい!!

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ネット映画配信サービスHulu登場!蔦谷は動画サービスとどう競合するのか?

Hulu
http://www2.hulu.jp/

高速ネットがつながればHuluというインターネット映画配信サービスからHeroesや24シリーズなどのアメリカドラマが見放題になります。値段も月1000円近くとかなりお手ごろな値段になってきました。PS3やipadからも動画が見れるのでかなり便利です。なんかビデオレンタルしてた自分が馬鹿らしいです。実はChuggingtonやアンパンマンををHDストックしておきたかったのだけれど、Huluにはないので残念でした。まぁyoutubeに大量に各国の言語の動画があるのでわざわざみる必要はないかなーとも思います。可能であれば子育てチャンネルとしてアンパンマンとChuggingtonがみれるといいと思っています。

最近は類似サービスが増加していますので、いろいろ視聴トライしてみようと思います。

マイクロが下手な先生の特徴。

僕がこれまで感じたマイクロサージャリーが下手な先生の特徴です。下手な先生について勉強するのはあまり参考にならないと思います。頑張ってください。

・手が震える。
>根本的に才能がない?震えなくなるトレーニングもありますけど聞く耳もたないないようですね。

・あきらかに練習不足。
>毎日練習していますか?

・基本がしっかりしていない。
>基礎技術トレーニング終わっていますか?研修を一からやり直したほうがいいですよ。

・解剖がわかっていない。手術手順がわかっていない。
>うまい先生ととりあえず同じようにしてみてはどうですか?

・神経と血管の違いがわからない。血管があっても見分けられずに切ってしまう。
>目が悪いんですか?頭が悪いんですか?

・バイパーラーをむやみに使う。神経も焼いてしまう。
>不器用な人はバイパーラーは使わないでください。

・機材の使い方をしらない。
>おとといきやがれ★

・経験がなく不器用なのに高度なことをやろうとする。
>身の程を知れ★

 指導する側としては、以上のことを認識してほしいと思います。やっぱり基礎の講習は受けておいたほうが良いし、マイクロの機材の使い方や基本の練習は最低限してほしいと思います。言っても変わらない人には指導する気が一切なくなります。

 指導される側としては、腕がイマイチな人にいろいろ言われるほど苦痛なことはありません。自由にやらせてほしいというのがあります。イチイチ言われるといらいらするので自分の技術も発揮できません。

 手術の細かい部分は自分が手術しているときに指導して、手術をさせるときはある程度自由にさせる。というのがマイクロでは理想だと思います。(あくまで理想ですが、、、)

壊死性筋膜炎 兵聞拙速 未賭功之久也で望むべし!

 壊死性筋膜炎です。なかなか整形外科の先生には気軽に診療してもらえません。これは典型的ではない、これはガスがない、DMがないから、、とか。まぁ結局整形外科の先生は正直なところ壊死性筋膜炎は見たくないんです。手術点数は880点なのに整形外科としては最大のリスクな疾患です。全身管理はしたくはないという整形外科医師の立場をご理解ください。。
 めんどくさいのはわかるのですが、生検さえしてしまえば何も言われなくなるので、とりあえず生検してしまうというのも手だと思います。ERが全部全身管理してくれればいいですが、整形外科は手術だけで全身管理まではちょっと、、と躊躇してしまうので、ERが全身管理してくれないならば、ICUないしは外科のバックアップがほしいところです。

 兵聞拙速 未賭功之久也!

電光石火ですばやく生検・筋膜切開まで行い、ドレナージするだけで結構症状は改善し、ホンモノであれば早期に介入しておけば救命できる可能性もあるので、(それでもダメなときはもっと徹底的にデブリードマンしないといけないかもですが)、どうせ激痛がってる人が大半なので、ERでも局麻など併用して病棟でも筋膜切開してもいいのかなと思います。切開後は痛みはかなり改善します。まぁ場所によっては手術室でせざる得ないところもあるかもですが、少なくとも四肢の怪しい症例は、即効で勝負つけてあげてもいいかなと思います。ドレナージ後は症状がだいたいよくなる類似疾患が多いので、壊死性筋膜炎かもしれない!で筋膜切開して、いろいろな疾患の治療でも早期終了させたほうが、わからないまま放置して悪化して夜間Call食らうよりいいのかなと思います。
ただ、結局のところどこの科が責任を持つかというところで、整形外科に全身管理を要する疾患を押し付けるのはあまり良策ではないと思いますので、是非ご一考ください。

どうして日本整形外科学会脊椎脊髄病医研修会は秘密主義なのか?

 日本整形外科学会脊椎脊髄病医研修会についてですが、インターネットで検索してもさっぱりヒットしません!!なぜか秘密のベールに包まれています。整形外科学会雑誌の3月か4月号のはがきをゲットして郵送しないと参加できませんが、そんな情報は聞き込みか、メールで学会に問い合わせないとわかりません。
 講習会参加するだけで取れる資格にどれだけ意味があるのかイミフですが、講習会の内容自体は研修医の時に聞くととてもためになるようなしっかりした内容です。可能であれば、腫瘍の単位のように研修医のときに必修にしていただいたほうが良いような気もします。
 脊椎の研修会はスポーツの研修会に比べて比較的しっかりとしている印象ですが、やはり講義だけではなく、教育効果がより高いといわれている実技やワークショップなどを充実してほしいと思います。整形外科学会全般でACLSやJATECなどをご存知の教育学を勉強した先生が研修会全体をサポートしていただけるような体制をとって頂きたいと思います。

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整形外科医としての壁 その3 :整形内科学 整形外科外来

 整形外科医として一般的な仕事が処理できるようになると、困ることも増えてきます。整形外科的にルーチンな対応では対処できない患者さんは結構多いのです。業界的には医師の思うとおり治療のうまく行かない人を”プシコ”扱いして外来から追い払う医師もいます。もちろん時に治療は難しいのですが、ここは整形外科医としての分岐点なのかなと思います。患者さんの言うことをよくよく注意深く聞いているとわりとその通りの病態なこともあります。むしろどうして他の病院でこの病気を見つけて上げられないんだろう。と思うことのほうが多いくらいです。いろいろな先生がいる中でどういう態度で患者さんと接するのが理想なんだろうと私は悩んだ時期がありました。

 私がお会いした中で一番診療が丁寧だった先生は大学名誉教授のI先生です。I先生は手の外科の専門外来をしていらっしゃるのですが、イラストの多い教科書を携えて、ご自分で絵を書いて患者さんに説明をします。説明のしかたも”私はこう考えます。”というようにあくまで主体的にお話をされるのでとても好感をもてます。整形外科の診療に行きずまったり、外来スタイルで悩んだときはI先生の外来に見学に行くと、きちんとした整形外科医としてのロールモデルを見ることができると思います。

 そして私が外来で困っていたテーマは交通事故後の患者さんたちでした。レントゲンでは異常ありません。MRIでも異常ありません。でも痛い人、困っている人がとても多いのです。痛み止めも湿布もあまり効きません。そうです。私も以前はリハビリで電気を流す治療をしていればよくなるんだと信じていました。でも1年たってもよくならない人がほとんどでした。いつまでも痛みを訴える人々を前にしてもちろん”プシコ”とレッテルを貼ったり”疾病利得”な悪い人たちと一刀両断することも可能です。でも、どこかに治療法があるだろうと思っていたのです。
 変化のきっかけはちょっとしたことでした。ちょうど異動で休みが取れた時期にたまたま友人からの紹介で保存療法の専門の整形外科医の先生の外来を見学に行きました。東京で開業されているM先生です。M先生は保存療法を保険医療で成立させているとてもすばらしい”稀有な”先生です。M先生の指導のおかげで、交通事故はもとより、保存療法でもあまり困ることがなくなりました。

 壁というのはもちろん自分で経験したり、自分で考えないとクリアできないものだと思いますが、壁を感じていろいろ努力する過程で成長していくのだと考えています。指導していただいた先生達に本当に感謝しています。

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