整形外科的まとめBlog

整形外科専門医が監修しているBlogです。初期研修や整形外科についての話題を医療、法律、ネット文化を幅広く取り扱います。専門医試験対策はアップデートされますので過去ログ参照してください。青森・東京・関西圏対応

感染症

アウトブレイク:ノロウイルスとの仁義なき戦い。。ノロウイルスは病棟看護でぶっとばせ!

ririka322

ノロウイルスが流行っていたりすると、いろいろ困りますね。

困るポイントとしては、
・下痢の人にノロウイルスの検査とかイチイチ出す出さないのがめんどくさい。
・”あれ?どこいっちゃったの”的な患者さん隔離的なBed管理で困る。
・看護師に感染して貴重なスタッフの数が減少してしまう。
・ナース・PT通して遠隔地転移を起こすので、病院全体の取り組みが必要。

などなど、困りますね!

別にノロだからといって、単なる感染性の腸炎のウイルスなので、どうと言うことはないのですが、
やっぱり院内感染が止まらない時はさすがに焦ります。

そして高齢者には時に腸炎は結構大きな打撃になります。多くの整形外科の手術後の患者さんは動けませんので、体力を消耗してしまうのです。そして頚部骨折、THA、脊椎関連などで臀部に近い手術も多いので不潔っぽくて嫌ですね。。

ちなみにナースや助手さんにとっては病棟業務が半端なく増えて厄介だそうですね。。

今回はノロウイルスのCDCガイドラインの訳から面白い部分を抜粋してみます。
http://www.hica.jp/cdcguideline/norovirus/CDCguideline2011.htm

・嘔吐や下痢への暴露を避ける。>避けれたら苦労しないぜ!姉さん!
・患者は個室で接触予防策の下に置く。>部屋が余ってたら苦労しないぜ!姉さん!
・症状が収まってから少なくとも48時間は接触予防策の下に置く。 >2日間ね。。個室代がパーでトホホだよ。姉さん!

・新たな入転院に対し病棟閉鎖を考慮する。>閉鎖してほしいよ!姉さん!!
・ノロウイルス感染症に合致した症状のある医療従事者の病気休暇方針を作成し遵守する。 >休みをおくれよ!つらいよ姉さん!!(切実。。)
・病棟での一患者コホートに対するスタッフケアを保証し、患者コホート間を移動させない。>そんなにリソース余裕なーいんじゃないかなぁ。がんばってよ姉さん!
http://www.micks.jp/jhi/2012/09/20120905.html

ってことで、病棟管理で防げる問題も多いからICTチームのせんせ、よろしくお願いしますねー。

 僕は日常的な病棟管理(患者配置・人員配置など)や日常的な衛生管理(トイレ・手洗いなど)に鍵があるんじゃないかと思っていますが、経営の問題もありなかなか難しいですねぇ。
(という意味でこの戦いには実は仁義がないんじゃないかと、、、)




今後ともよろしくお願いしますね!
eseikeiUntitled

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これまでの感染症関連の記事はこちら。
http://www.orthopedic.jp/archives/cat_50048754.html

壊死性筋膜炎 兵聞拙速 未賭功之久也で望むべし!

 壊死性筋膜炎です。なかなか整形外科の先生には気軽に診療してもらえません。これは典型的ではない、これはガスがない、DMがないから、、とか。まぁ結局整形外科の先生は正直なところ壊死性筋膜炎は見たくないんです。手術点数は880点なのに整形外科としては最大のリスクな疾患です。全身管理はしたくはないという整形外科医師の立場をご理解ください。。
 めんどくさいのはわかるのですが、生検さえしてしまえば何も言われなくなるので、とりあえず生検してしまうというのも手だと思います。ERが全部全身管理してくれればいいですが、整形外科は手術だけで全身管理まではちょっと、、と躊躇してしまうので、ERが全身管理してくれないならば、ICUないしは外科のバックアップがほしいところです。

 兵聞拙速 未賭功之久也!

電光石火ですばやく生検・筋膜切開まで行い、ドレナージするだけで結構症状は改善し、ホンモノであれば早期に介入しておけば救命できる可能性もあるので、(それでもダメなときはもっと徹底的にデブリードマンしないといけないかもですが)、どうせ激痛がってる人が大半なので、ERでも局麻など併用して病棟でも筋膜切開してもいいのかなと思います。切開後は痛みはかなり改善します。まぁ場所によっては手術室でせざる得ないところもあるかもですが、少なくとも四肢の怪しい症例は、即効で勝負つけてあげてもいいかなと思います。ドレナージ後は症状がだいたいよくなる類似疾患が多いので、壊死性筋膜炎かもしれない!で筋膜切開して、いろいろな疾患の治療でも早期終了させたほうが、わからないまま放置して悪化して夜間Call食らうよりいいのかなと思います。
ただ、結局のところどこの科が責任を持つかというところで、整形外科に全身管理を要する疾患を押し付けるのはあまり良策ではないと思いますので、是非ご一考ください。

整形外科と感染症 感染症外科医って整形外科医のこと?

 整形外科は比較的感染症と戦う外科医という位置づけに最も近いのかもしれません。壊死筋膜炎、腸腰筋膿瘍、ガス壊疽、糖尿病性壊疽、骨髄炎、化膿性脊椎炎、化膿性股関節炎と緊急手術を時に必要とする疾患を専門分野としています。(しかしながら、ほとんどの整形外科医はばい菌=悪としてと考えていて、以上のような疾患を忌み嫌っていますね。)特に糖尿病患者の増加によりアンプタ(amputation)は、整形外科として必ず通らなければならない道でしょう。

 最近は感染症科の先生が多くなってきたので大きな総合病院では抗生剤の指示を出したり感染症Roundしてくれたりしています。そして外科や整形外科の先生の伝統的な?抗生剤の使用方法は少しづつ変革されてきています。しかしながらまだまだ生検>抗生剤選定の流れがはっきりしない部分もありますね。壊死性筋膜炎も類似疾患で生検を繰り返して診断や治療につくのでしょうし、化膿性脊椎炎、化膿性椎間板炎でも生検>抗生剤の流れが徹底しておらず、原因菌が不明になってしまう場合もありますね。

 以上のようなことが起こるのは、整形外科の先生の中で感染症の位置づけがとても低いからなのだと思います。整形外科内での感染疾患は手術はかならずしも必要でない場合も多く、しばしば全身管理が必要になり、整形外科の本分からはすこし外れたように感じる、人工関節などの手術の際にコンタミで感染したら嫌、というような理由になるでしょうか。でも一番苦労するのは外傷後骨髄炎やインプラントの感染のはずですので、やはりここは整形外科内で専門性を確立してもいいのかなーとは思います。(まぁ誰もやりたがらないでしょうけど。。。)

 総合内科がある病院だと診断や抗生剤まで内科で指示出してくれたりして診療も楽そうですね!

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