整形外科的まとめBlog

整形外科専門医が監修しているBlogです。初期研修や整形外科についての話題を医療、法律、ネット文化を幅広く取り扱います。専門医試験対策はアップデートされますので過去ログ参照してください。青森・東京・関西圏対応

外傷・Trauma

頚部骨折ってわりと難しいですよね。高齢者の大腿骨頚部・転子部骨折の治療戦術&戦略をまとめてみます!

kossetu

ひさしぶりにまともなテーマを選んで書くことになってしまいました。。
これは腰部脊柱管狭窄症の記事以来のちょっと照れるテーマですね。。

 戦略的には治療目標を高齢者のADL確保を目標にして、骨折治療を目標に据えないことが重要だと思います。骨折治して患者治さずでは、意味がありません。そういう意味では48時間以内手術が標準になってくるような気がするので、院内体制をどう整えていくかというのも整形外科的にはキーポイントだと思います。

 以下は戦術的なお話になります。

 外傷で股関節痛がってる人、大腿痛がってる人、骨折が疑われる怪しい高齢者はまず腰椎2R+両股正面+ラウエンの刑ですね!(腰椎はとらないこともあります。)
 明らかな骨折がない場合でも、診察上大腿骨頚部骨折が疑われる場合は、
(骨頭に圧痛がある。踵を叩いて痛みが響くなど。)
MRIです。CTでもいいですが、MRIの方が転位のない骨折をCTより発掘できます。

まれですがソケイヘルニアだったり、大腿ヘルニアだったりと外科疾患なこともあります。

 明らかに骨折がある場合はCT+CXRで入院コースです。骨折疑いの人もベッドに余裕があれば入院させても良いのでは?と思いますが、ベッドに余裕のある病院!勤めてみたいものですよね。ですからMRIをとって判断しています。痛くて動けない人を自宅に帰すのは、本当はよくはないんですけど、まぁベッドもありませんので、しょうがありません。見逃し例で問題になりがちなのは恥骨・坐骨骨折とかです。MRI取らずの頚部骨折の見逃しもちらほらあります。”骨折はない!”とか言い切らないことが肝要ですね。

 血液検査で極度に貧血がある人は輸血をしてしまった方がいいですね。よく大腿骨骨折だけで500mlは出血する!とか言われています。転子下だと稀にですが、そのまま失血死するケースもあるので注意が必要です。大腿骨頚部・転子部骨折でも大丈夫なことが圧倒的に多いですが、わりと侮りがたいと思っています。

内側骨折=頚部骨折
外側骨折=転子部骨折 
に整形外科学会で統一する方向になっていそうです。

 頚部骨折の分類は、GardenⅠⅡⅢⅣで、ⅠⅡはORIF、ⅢⅣはBHA/THAが教科書的です。
最近はTargonFNとかよいインプラントもでてきたので、ⅢⅣでも整復可能であれば48時間以内なら、ORIFという流れもあるかと思います。
 個人的にはいつもつかうインプラントはハンソンピンでもC-CHSでも、とくに気にしません。ポイントとしてはハンソンピンは早く終わる反面不安定で、転倒>転子下骨折も嫌なので、本当はもう少し安定しているユニテックCHSシステムとか、TargonFNのようなインプラントのほうが好きです。
http://jutc.co.jp/products/product.html#pv_contents_block02

 転子部骨折はStableではインプラントなんでもいいのですが、Unstableの場合に手術術式にディスカッションがあります。でも最近はほぼもうIMN型(γネイル型?)のCompression Screwでいいかと思います。ただ、私CHSも好きなので、結構未だに使います。


 ここからはなぜか教科書に書いていない最初の手術がうまくいかない場合のサルベージ的治療です。頚部骨折であれば偽関節、大腿骨頭壊死、転倒による再骨折などなど、転子部骨折であれば骨頭穿破、脱転、偽関節、短縮などなどですね。途中経過で痛みが悪化する場合は、リハビリ、看護師から連絡を受けて以上のことが発覚することも多いです。

 最初は頚部骨折のORIFが失敗した時の対策から。もちろんBHA/THAに移行でいいと思いますが、出血をそんなにしたら死んでしまうようなギリギリCHFラインの人々がいます。何せハンソンピンの抜釘でさえCHFで死にそうになったりしますから結構厳しいのです。そういう人の除痛の手術が骨頭抜去術になります。前方からでも後方からでも抜去します。

 転子部骨折の偽関節は再手術+骨移植とか、脱転の場合、骨頭穿破の場合など、トリッキーな場合があります。骨頭穿破の場合は人工骨移植での再手術ですし、、脱転の場合の場合も再手術ですね。。再手術でORIFできそうになければ人工関節でしょうが、ここまで私は残念ながら経験がありません。。

頚部骨折・転子部骨折の再手術は時にミゼラブルなので、整形外科的に気をつけましょうね☆

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 心の底から脱臼が大大々嫌いなorthopedicsより

SAFHSでセーフ!超音波骨折治療を語れ!!

そろそろ正月シーズンも終わりですね。今年はかなりの厳寒なようです。整形外科的にはそろそろ頚部骨折シーズン到来で、踵骨骨折+圧迫骨折やらもきそうな雰囲気ですか?

今回は、超音波骨折治療についてお話します。
img_safhs03

これ、見た感じ

超怪しい!!!!

ですよね?
これで、また宣伝の仕方が”あのベッカムも使用していた!”とか
”あの松井秀喜も使用していた!”ですから、
それって、テレフォンショッピングと同じですから、、、
って、そういうのに弱い整形外科医も多いことは確かですけどね!!

周囲のドクターでも、”全例に使う必要はない!”というまじめな先生もいらっしゃいますし、
怪しい怪しいと使用しないドクターも結構まだいらっしゃいます。

でも、これは治らないだろうなと思っていた偽関節を治癒せしめてみたり、3年位前から新鮮外傷にも保険が通り結構効果的!と個人的には思っていますが、皆さんはどう思われますか?

歴史的には電気をかけたり超音波をかけると骨癒合が促進することが基礎的に研究されていて、その応用ということのようです。

SAFHS(Sonic Accelerated Fracture Healing System) TEIJIN
http://www.usfr.jp/supersonic_wave/sonic_treatment.html
リンクになります。
さすがですな、
だけじゃない、TEIJIN!!
レンタルというめんどくさいビジネスモデルがイミフですが、いつもお世話になっていますよ!!

国産だと、伊藤超音波株式会社さんが、オステオトロンⅣを売り出しています。
http://www.itolator.co.jp/medical/products/osteotron4/index.html

5人つかえば元が取れるので、新鮮外傷にすべて使えば、大概の骨折は2ヶ月あれば終了ですから、1年で回収できそうですね!!

ですので、時間がかかりそうな人はSAFHS、すぐ終わる人はオステオトロンⅣと使い分けるといいのかもですが、そんなの最初からわかったら苦労しませんね!!

難治性超音波骨折治療法に移行する場合はSAFHSととりきめてもいいのですが、そんなことされたらTEIJINは商売上がったりですね。。。

なんにせよ、私はこれを積極的に最初から使用していて、整形外科的には結構TEIJIN様にはいつも大変お世話になっております!!

エビデンスも何もない記事を読んで頂き本当にありがとうございました。
治療根拠はこちら
ネットで調べると野球肘などのスポーツ障害や歯科関連のインプラントなどの軟部組織損傷にも使用しているケースもあるようですね!
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伸筋腱損傷:指が一本が拘縮・癒着で動かなくなるということ。邪魔なやつはいない方が仕事ははかどる?

MP/PIP関節が動かないとこのご時世困ったことになりうる。

今日、PCをこれだけ使う時代なので、指がかなり致命的な怪我になります。つまりは料理で少し指深く切っちゃったくらいの怪我で、職を失う可能性があります。なぜって、指が動かないからですよ。

どうして指が曲がらないかというと、背側の傷では指を伸ばす腱が切れている、もしくはくっついて滑走しないことが原因ですね。指を伸ばす腱は複雑に入り組んでいて、この部分には3本くらいの繊維が入り混じり交差していて、とても複雑に動いている。具体的にいえば、LateralBandもしくはCentral slipの断裂もしくは癒着があるんだと思います。

ここの損傷は、当初はROM的に大丈夫なように見えても損傷に応じて全例あけて(手術して)完璧に丁寧に修復してきました。腱が大きく欠損している場合もあるので、なるべく修復して術後長期にフォローです。ご存知の通り伸筋腱損傷にはさまざまなプロトコールがあります。部位によりますが多くは保存療法でよいと書かれていますね。

しかしながら修復しても見栄えがよくならなかったり、かえって悪くなった印象もあったのと、ROM悪化例をこれまでさっぱり経験しなかったので、これまでこの治療に本当に意味があるかどうか確信がもてなかったのです。
(これまで私の腱損傷見逃し例はレジデントの時のEPL断裂一件です。あんな小さな傷で腱切れてると思わなかったんですよ。指動かないとも訴えなかったし、、)

でも今日の人を見る限り、悪化時の結果は悲惨ですね。今日の人はずいぶん前に発症した陳旧性のCentral slip断裂。初診は本当にちょっとの包丁傷だったのです。。
(他院外科ドクター処置というやつですね。。整形外科でも多分同じ感じでしょうね。。)

こんなのはROMトレーニングしても、もし腱が切れてしまっていると、切れているものは元にもう戻らない。関節なんか固まりだしたらもうアウトであります。(つまり固まるまでの2週間が勝負)

多分、伸筋腱はいったん癒着したり、悪さすると、なぜか断端の腱組織が癌組織みたいになって周囲にへばりつくから、なにやってもだめだろうなという感触を持っています。
(もちろんさまざまな再建術がありますね!RAの人の手術をよくみましたが、そこそこ動くようにはなりますね。でもそこそこで完全ではなかったでしたね。。。)

この疾患は最初の診断がだめなら絶対だめな典型例かなと。初診がすべてを決める。

たかが指一本、されど指一本。指一本の治療にかかる時間は2ヶ月以上に及び、費やされるエネルギーといったら、、、トイレで利き手で紙もふけない苦痛を2ヶ月以上というのはわりとしんどいですよね。人を攻撃したくなる気持ちも理解はできます。(って本当にやらないでくださいね!!!)

 再接着を経験してきたものとしては、機能を失った指は治療をするのも1手ですが、MPまで固まった場合は治療困難な場合の定石は切断もありうると考えています。なぜって、それは修復よりも仕事の復帰が早いからです。。。




(もちろんまずはお近くの手の外科センターにて治療法をまず相談するのが良いと思います。よろしくお願いしますね。)

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抜釘術、されど抜釘術。

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みなさん抜釘お好きですか?

私は、、、

嫌いです!!


 どちらかというと抜釘は保険医療の無駄遣いのような気もしてきました。基本患者さんに頼まれないと手術しません。比較的しなければならない抜釘としては、フックプレートが抜釘必要な手術手技かと思いますが、最近になって鎖骨遠位骨折にフックプレートをアプライせずに保存療法を多用しているのですが、受傷後4-6週でほぼみなさん肩ROMがADL上問題なくなくなるのを見て、フックプレートは実は害悪なんじゃないかとか思い始めましてしまいました。

 抜釘をやらねばならぬ場合ですね、VolarPlateは腱が擦り切れるのが嫌なので抜釘が基本だと思っているので抜釘してます。テンションバンドも抜釘必要なのでいやな手術ですね。子どもの骨折も嫌ですね。抜釘必要じゃないですか、、他はそうですね。髄内釘の抜釘とかは軒並み断ったり他の病院に紹介したりしていますね。

抜釘のトラブルって多くないですか?
なんか機材の確認とか、ねじが馬鹿になってたりとか、術者が不明のときとか緊張しませんか?

そのわりに得るものは少なくないですか?
抜釘して何か利益がありますか?



あまりないですね。でも日本人は異物を取ってもらいたい願望ものすごく強いですね。
なんででしょうね。。。

というわけで、抜釘しない方向に舵を切ってしまい、病院の手術数と売り上げの足を引っ張っているかもしれないです。。
まぁ抜釘なのでたかが知れてますけど




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整形外科ってどんなことしているの? その1 整形外科医はキリストを超えた?

整形外科ってどんなことしているの? > 現代のイエス・キリスト的な仕事です。

 手を触れるだけで、歩けないおばあさんを歩けるようにたりしたり、もげた指を再生することもできます。骨折で即死しそうな人を救命できたりもしますので、既にキリストを超えているとも、、、と言うのは冗談で、仕事については事実は事実ですが、ややセンセーショナルすぎますね。精神的には他人の贖罪というよりは、自分の仕事を他の人にお願いするほうが多い業種でもあるので、逆に極めてエピキュリアン的で殉教者とはさっぱり逆な発想です。

 整形外科医を端的にあらわすと、”骨大工”ですか。患者さんの運動機能を改善させることを目的とした外科医です。骨折などの整形外科の病気になったときに、ある程度のリスクヘッジをしてみなさんの健康寿命を保証するのが仕事です。

 あなたは怪我をしてしまい、手術をしないと2ヶ月寝たきりですが、手術すれば明日から歩けるようになりますよ。あなたにとって、あなたのこの2ヶ月の人生のお値段おいくらで買いますか?そして人生の何を賭けますか?って感じです。つまりね。ファンブルする可能性があるんですよ。黒魔法には、、

 手術は絶対的にしたほうがいい手術、相対的にしたほうがいい手術、しなくてもいいけどしょうがなくする手術。に分かれると思います。
 絶対的に必要な手術は、開放骨折や関節内骨折などは手術したほうが臨床成績が絶対にいいだろうと決定付けられているので、こういうのはまず手術したほうがいいと思われます。
 また、お年寄りの頚部骨折のように、早く手術をしないと寝たきりになり、また寝たきりでいることによりぽっくり亡くなる可能性も高い病気もあるのです。ですから手術リスクは高くても、手術をしなくても治る可能性が高くても早期治療が大切になるケースも存在します。これも絶対的に手術をしたほうがいいケースに入ります。

 ただ、手術しなくても直るけど、手術したほうが早く治るだろうな、という相対的な手術適応というのもかなり多いのも事実です。糖尿病がない、大きな病気がない人は、整形外科の手術を積極的に受けてもいいのかなとも思います。しかしながら手術は100%治癒するということではないというのがリスクです。骨に菌が入れば一生治りませんから、最終的には整形外科手術が原因で足を落とす羽目になる可能性もあります。もちろんつまりそんなリスクを考慮すれば不必要な手術はする必要がないという考え方も承知です。

 そして、やらなくてもいいけど、敢えてやる手術、手術してもしなくても臨床成績が変わらないけど、介入せざる得ない場合が整形外科にはあります。価値観や手術技術で変化するのでどの手術がこれに当たるかは言及しませんが、なかなかこういう難しい分野には参入したくないなぁと思っています。

いわゆる指の骨折について

いわゆる指の骨折について

指の骨折は小さいわりに日常生活にとても不便です。固定をしていると水仕事はできない。細かい作業ができない。力作業ができない。小さいからと侮って治療が長引くとかなりのストレスになります。

指の骨折の治療原則は、
・骨折治癒には最低4-6週かかる。
・2Wで関節は拘縮をはじめる。

ということです。つまり固定期間が長すぎると、固まってきてしまいますので、指の治療は動かしながら直すことが基本となります。

多くの指の骨折は手術しないで直る場合も多いですが、残念ながら手術をしないと機能が回復できないケースも存在します。
マレット指、腱損傷、関節内骨折などは治療が難しい場合もあるので、手外科・手の外科専門医を受診するのが無難かと考えています。

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