整形外科的まとめBlog

運動器疾患を担当する整形外科のBlogです。初期研修や整形外科についての話題を医療、法律、ネット文化を背景にまとめて取り上げてまっす。

整形外科救急

当直の時、何見てますか?救急当直の教科書:その1

今回は、当直についてです。。

 当直、最初はどきどきしますね。今じゃ、Huluみながら、出前とってます。。1人当直から、内科当直、外科当直、整形外科当直、整形外科オンコール、こんなところが守備範囲です。一応研修病院で小児科も見ていたので、小児もやれないこともないけど、小児科の先生がいないところの小児科診療は救急対応に完全なる自信がないので、ちょっとパスですね。。

 当直はどういうトレーニング受けたかによって、いろいろなフローチャートは変わると思うのですが、わりと困るのが、

1、薬の内容
2、細かい対処法

などなどですね。

子供の投与量っていくらだっけ、、、
とか、
ムカデってどうするんだっけ、、
というように、いろいろ忘れてしまいます。

というわけで当直のあんちょこですね。
アップデートされているあんちょこは、、、

この本です。所謂赤本ですね。

この本がどこの医局にもぽいっと置かれてます。私も愛用してます。

っていうか、いろいろな人が救急の教科書として林先生の教科書薦めてるけど、
実際に仕事場でアレ読んでる暇はないから、時間があるときに読んでおく本だと思うのです。

 Ddxの教科書とか、林先生のシリーズとか、面白いんですけど、
学生時代に読んだりする本かなーとか思ってました。。
 研修医の時は、外来を回すこと、仕事を回すこと、論文を読むこと、講習を受けること、
なんかに時間がとられて、あんまり教科書をよく読めなかったかもですね。

鑑別診断?いいから、早く造影CTとってから考えれゃー!みたいな感じです。>。<

当直の恐ろしさは、

1、リソースが限られていること。
2、リソースが限られていることを顧客に納得してもらえないこと。
3、結局無理な時は、大きな病院への搬送になってしまうこと。

ですかね。100%っていうのはないんだよ!って説明しますが、なかなか難しいですね!!

救急の時の本当の救急の対応は、麻酔科研修やら、JATEC、ACLS、PALSなどしっかり受けて救急部で研修してください!

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事故は起こったんだから、もう想定してよ!ダメージコントロールについて、整形外科的見地から語れ!

 原発関連のお話で、ダメージコントロール(ダメコン)のディスカッションをすることがありました。”いわゆる文型の人でダメコンのことを理解できる人間がいない!”と、嘆かれましたが、医療でも同じで、わりと外科医にもダメコンわからない人間が多かったりもします。。

↑救急外科の教科書ですね。こんな殺伐とした環境は、アンプタを何分でできるか競っていると、わりと同じ環境に浸れます。もちろん、時間競ったアンプタの成績が悪い印象があるのですが、、、


いわゆるダメコンですが、

・”当たったとしたら、どうやって被害を最小限に食い止めるか。”

という考え方で、

・”あたらなければどうということはない。”

という発想と対極をなす考え方ですね。

 つまり、絶対に当たらないぞ!という努力をしても、どうせ当たる可能性がゼロになるわけでもないので、そんな対策しても無駄なので、当たることを前提に考えて、当たったときにどうやったダメージを減らすかという、防災、減災の考え方になります。

 そして、これ、現行の危機管理の信念と真逆な発想なわけですね。もちろん、小学校の耐震補強なんかはこの範疇に入りますが、まだ行政も今年の被害額予想はこれくらいだから、これくらいの予算を組もうとか、こうしたら被害をどれだけ減らせるとかそういう発想であまり動いてないんですね。予知にリソース投入するって言うことは、”当たらなければどうということはない”っていうことに力を入れるってことですよね。。緊急地震速報はかなりの成果だと思いますが、それでも被害が抑えられているかというと、津波の被害はやはり津波避難ビルとかそういうハードに頼らざるを得ない気はします。

 これは地震対策において顕著でしたが、原子力なんかはもっとひどく、本来の減災に力をいれず、そして本当に原発災害起こったら、今度は逆に被害想定のできるSPEEDIの情報を一般市民から隠蔽するわけなのです。そして情報を持った人たちは逃げちゃうということなので、。本当にひどいですね。。

 いやはや、話がだいぶそれましたが、医療におけるダメージコントロール:ダメコンのお話です。特に、整形外科のダメコンのお話は、多発外傷、開放骨折でよく議論されます。

 整形外科のダメコンの考え方は、最初の外傷のダメージが大きいので、治療のための侵襲に耐えられないから、最小限の治療をまず行い、ある程度余力がでるようになったら、その治癒力を生かして治療を行おう。という発想になります。一期的治療を、体調がよくないときにやっても、結果が伴わない反省からこういうような流れになってきているのだと思われます。以前の整形外科は”自分たちが治療したから治った”という発想だったと思いますが、現在の整形外科医は”あくまで患者の自己治癒能力をどう生かすか”というような発想の転換をしていると思われます。

いわゆる、整形外傷での軟部組織損傷のグレードとしては、

・gustilo分類が有名ですね。

 Ⅲがいわゆる分岐点になって、一期的ORIF(観血的整復固定術)にするのか、Ex-Fix(創外固定:骨折を中で固定するのではなく、外に出す固定材で一時固定する。)+ORIF(創外固定による一時的固定の後に落ち着いた後に二期的観血的整復固定術)にするのか、選択することになります。
 軟部組織損傷が大きすぎる場合、被覆する軟部組織や再生能力が落ちるので、一旦治療を応急処置にとどめようというわけです。

http://orthotraumaresidency.blogspot.jp/2012/04/20120404-jbjsbr-early-management-of.html
↑全身状態で判断する基準もあるようですね。

*一期的な手術を、ETC(early total care)、二期的な手術をDCO(damage control orthopaedics)というようです。

 一般外科でも、最初はダメコン(出血のコントロールを行う手術)で腹腔内ガーゼパッキング(腹腔内の出血を全て根治せずに、ガーゼで一時圧迫止血するだけの手術)とかやってますよね。整形外科では四肢切断の出血性ショックであれば、アンプタ(切断)の適応になるかどうかという選択肢や、骨盤骨折であればEx-Fix+ガーゼパッキングなどしている施設もあります。

 ATLS/JATECでは、Ex-Fixまでは指導がありますが、ガーゼパッキングまではスタンダードでは教育は受けません。AOコースでは、四肢外傷のアンプタVS再建の項目がありましたが、結局どちらがいいかは結論出てませんでした。。

 結構ETCをgustilo分類Ⅲで行ってIMN(髄内釘)とかで術後どろどろになっているのを目撃し、術後大変なことになっているのを目撃したので、やっぱりEx-Fixで軟部組織と血流が落ち着いてからのほうがいいんじゃないかなと思ったりしてました。

 また最新の知見などありましたら、教えていただければと思います。

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*のっけから毒を吐いてしまって、ちょっと心配になってきたorthopedicsより

当直料金が値上がりするかも!祝:県奈良の宿日直時間外手当訴訟実質勝訴☆

http://on.wsj.com/YWj9RB

整形外科医の皆さん朗報(もしくは訃報)です!

県立奈良病院の産婦人科の先生の訴訟内容から言うと、
”宿日直での労働は時間外労働であり、時間外労働分の割増賃金を払わないといけない”的な流れになるかも知れません。
やっと最高裁まで判決終わったようです。

そういえばその昔、どこかの上司に”当直業務なんて法的にはやらなくていいんだよ”的なことを教えてもらったことありましたっけね。。。

まぁ時間外賃金なんてたかが知れていますが、時間に換算すると結構な額になりますね。。

もしこれまでの当直に時間外手当が加算されるとなると、

週に平日一回当直していると、
12時間×4の時間外手当が頂ける算段になります。
時給5000円だとすると、

月+24万円ですか。




わりといいじゃないですかぁ!!!

まぁ多分当施設では”当直料金は時間外賃金含まれてんだぜ、けっ!!”とかなりそうな気がしますが、
これまでの賃金の分については訴訟が増えそうですね。。。

orthopedicsは整形外科医としてこの問題、チェックしていきます!!
いろいろなこと教えてください!


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研修医が救急外来のおばちゃんナースから無事卒業する日。

救急外来のおばちゃんナースの言うことから卒業する日

yuu


 研修医1年目の時はERナース達の言うことは絶対でした。ERナースは普段怖い人と接しているからか、やや怖い方が多い印象があります。。

そうなんです。最初はアレ?と思うところから。

 最初はただナースの言われるままに仕事をこなしていればいいと思ってました。しかし、1年もたたないうちに、不思議に思うことも出てくるはずです。いわれのない責任を押し付けられたり、言った言わない論争になったりと、、

そうです。それは”巣立ち”のときなのです。

 医師と看護では役割が異なり、基礎的な勉強も異なっています。もちろん専門的に研修してきたナースの言うことはたいがいあっていることが多いですが、ナースはナースであり、外来でも病棟でも仕事の効率を優先する傾向があり、Pitfallをつぶしにかかる医師の思考回路とは異なる可能性があります。
(もちろん逆に足りない部分を指摘してくれたりする場合もあるので、臨機応変さが必要ですが、、)

 診断を最短でみつける事と、否定しておくことの重要性と思考過程がやや異なる印象を受ける場合が多いですね。

 もちろん職場での看護教育や雰囲気の影響が大きいと思いますが、仕事の効率を求めるあまり、必要な部分もすっ飛ばしてミスした時の責任はナースではなく自分にあるということを肝に銘じてERをこなしましょう。
(そしてもちろん言うこと聞かない変なドクター扱いされないようにフォローも忘れずにね。)

 医師は医師の仕事を、ナースはナースの仕事をきっちりやることで、この問題は解決できると思いますし、逆に言えば、本当は必要なことはある程度決まっており、本来本当に必要な仕事量はどうやってもあまり差はないのだと思っています。

 僕の指導をしてくれたおばちゃんナース、つまり私のERにおける師匠のERナースは持病がもとでもう引退してしまったそうです。

私の勇姿を見せられなかったなぁとすこし残念です。





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壊死性筋膜炎 兵聞拙速 未賭功之久也で望むべし!

 壊死性筋膜炎です。なかなか整形外科の先生には気軽に診療してもらえません。これは典型的ではない、これはガスがない、DMがないから、、とか。まぁ結局整形外科の先生は正直なところ壊死性筋膜炎は見たくないんです。手術点数は880点なのに整形外科としては最大のリスクな疾患です。全身管理はしたくはないという整形外科医師の立場をご理解ください。。
 めんどくさいのはわかるのですが、生検さえしてしまえば何も言われなくなるので、とりあえず生検してしまうというのも手だと思います。ERが全部全身管理してくれればいいですが、整形外科は手術だけで全身管理まではちょっと、、と躊躇してしまうので、ERが全身管理してくれないならば、ICUないしは外科のバックアップがほしいところです。

 兵聞拙速 未賭功之久也!

電光石火ですばやく生検・筋膜切開まで行い、ドレナージするだけで結構症状は改善し、ホンモノであれば早期に介入しておけば救命できる可能性もあるので、(それでもダメなときはもっと徹底的にデブリードマンしないといけないかもですが)、どうせ激痛がってる人が大半なので、ERでも局麻など併用して病棟でも筋膜切開してもいいのかなと思います。切開後は痛みはかなり改善します。まぁ場所によっては手術室でせざる得ないところもあるかもですが、少なくとも四肢の怪しい症例は、即効で勝負つけてあげてもいいかなと思います。ドレナージ後は症状がだいたいよくなる類似疾患が多いので、壊死性筋膜炎かもしれない!で筋膜切開して、いろいろな疾患の治療でも早期終了させたほうが、わからないまま放置して悪化して夜間Call食らうよりいいのかなと思います。
ただ、結局のところどこの科が責任を持つかというところで、整形外科に全身管理を要する疾患を押し付けるのはあまり良策ではないと思いますので、是非ご一考ください。
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