そういえば、創傷治療の基礎の教科書ですね、
縫合をどうするとか、洗浄をどうするとか、釣り針はどう処置するとか、
そういう教科書って僕の世代ではなかったのですね。

夏井先生の新しい創傷治療やホームページはなかなか衝撃的でしたが、

この教科書も私の世代で普及した感じで、
普及当時は異端扱いされましたからね!

創傷治療では時に誤用も多く、
出血の多い手術部創まで密閉したりするので
逆に感染を助長したりすることもありました。

洗浄にしても基本は

生理食塩水をブラシで洗浄。
開放骨折のときはXリットル以上。


みたいな施設ルールがあって、
メンドクサイ、メンドクサイいいながら、
生食ボトルを開けてじゃばじゃばERやら手術室で
洗浄するくらいにしか印象ないですからね。

創傷治療の原則は、ケースバイケースなのですが、

0、評価
1、洗浄
2、被覆


に集約されると思います。

0、評価

最初にレントゲンをとらないと
異物を見落としたり骨折を見落とすので、
洗浄前に必ずレントゲンです!
ここすっとばすと痛い目にあうので、何にせよまず評価が先です。
(洗浄後にガラス片を見つけて、
患者さんにもう一回局所麻酔の注射をうちたいですか?)

一般整形外科の、ABCというやつですね。
動脈損傷はないか、神経損傷はないか、コンパートメントになっていないか、
最低限評価しましょう。
ERからよく見逃されてくるのが、
神経損傷と腱損傷ですかね。
ま、骨折もよくありますけど、、、

1、洗浄

洗浄は評価でもあります。どこまで層が深いかを判断するのは洗浄フェーズです。
傷が小さいときは切開してドレナージができるようにしなければいけません。
よく誤解されるgastilo分類ですが、この切開の創も含めた評価になるので注意が必要です。
http://www.orthopedic.jp/archives/52102455.html
つまり、必要な切開というのは最初の軟部組織損傷にカウントされます。
傷が小さくても、ドレナージに大きな創傷が必要な場合や組織の損傷がひどいときは、
最初の表面の傷の大きさだけで判断にはならないのです。
(傷を大きくしたらgradeが上がるからと切開を躊躇するのは愚の骨頂ですね!)
(大きな切開が必要なくらいな or 既にもう使用に耐えない
ひどい軟部組織損傷を被っていると判断するほうが合理的かと。)
(切開のしかたも皮弁をどうするとか、どう被覆するかとか
計画しなければいけないので、結構迷いますよね。)

初期洗浄のみにするか、それともこれで洗浄を終わらすかは、
洗浄前には決めておかねばいけません。
例えば下腿の開放骨折は局所麻酔で完全洗浄はできません。
(無理ですよー!無理しないでくださいよー!!!)
手術部は、外の汚染創を持ち込むのを嫌がりますので、
ERでの洗浄を義務とする職場もあります。
つまり、手術室で洗浄が必要なケースをすばやく判断しろってことですね。
ま、不潔なMだらけのERではなく、
清潔な手術室で洗浄したいのが整形外科医なんですけどねぇ。。
(誰か、手術室を説得してください。)

2、被覆(Dressing)
一時的な被覆なのか、そのまま行くのかはまた評価によると思うのですが、
外界からの防護機関である皮膚が破綻しているわけですから、
皮膚組織を代替するDressingをするのが一般的です。

被覆は
open or closed
wet or dry

のdressingの概念があります。

初期の創部は出血が多いので、
open and wet
を選択することが多いです。

実際の医療材料としては、
私は最安価格の

ソフラチュール

でほとんどすべてをまかないます。

いや、好きですよ。他の創傷被覆剤は!!
でも、使っていい施設とそもそも採用されてない施設があるからしょうがないじゃないですか、、、

というわけで皮弁なんかの解説も楽しいんですが、
今日はこのへんにしておきます!!

このサイクルは一回では終わらない場合がありますので、
繰り返し行うこともありますね。
とりあえず外来で処置をして、レントゲンの間に作戦を立てようとか。
はたまた術後浸出液が怪しいからもう一回洗っておこうかとか。

そして骨折とか神経血管損傷がある場合は、
もちろん最初の評価で、治療法を考えましょうね!
見逃すと厄介ですよ!

今後ともよろしくお願いしますね!
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無麻酔下での下腿骨開放骨折の洗浄と整復のお話を聞いたことのあるorthopedicsより